ドメインとは、簡単に言うとインターネット上の住所として使われています。ドメインを見れば、
- どこの国の団体・Webページか
- 何をテーマとした団体・Webページか
といったWebページの特徴がわかるので、Webページの目的や安全性の指標になるとも言えます。
今回は、クラウドワークスのアンケート調査で、10代から70代以上の男性120名、女性180名の合計300名の回答を元に、ドメインの認知度とインターネット利用の実態について比較調査してみました。今回の記事はアウトソーシングのクラウドワークスで募集しています。そのため、ある程度ネットリテラシーが高い人のデータであることを踏まえてご覧ください。
ドメインの種類
アンケート調査の基礎知識として、まずドメインが何なのか、どんな種類があるのかを軽く説明します。
ドメインとは

「普通.jp」だと文字列一番右端の「.jp」にあたる部分を「トップレベルドメイン」と言います。トップレベルドメインは「国別コードトップレベルドメイン」と「ジェネラルトップレベルドメイン」に分かれます(後述)。
同様に、「○○○.co.jp」というドメイン名で、トップレベルドメインの左にある「.co」の部分を「セカンドレベルドメイン」と言います。「○○○.co.jp」だと「○○○」の部分を「独自ドメイン」と呼びます。
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)
国や地域ごとに割り当てられた“.”+2文字の英字から成るトップレベルドメインを「国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)」と言います。
日本であれば“.jp”がccTLDになり、アメリカなら“.us”になります。ccTLDを取得するには、個人であればその国に居住、企業などであればその国に登記している必要があります。また、“.co”や“.me”などのように、ccTLDであっても世界中で誰でも利用できるものもあります。
ジェネラルトップレベルドメイン(gTLD)
ジェネラルトップレベルドメイン(gTLD)は、「分野別TLD」とも呼ばれ、その名の通り、どこの国に登記や居住に関係なく取得できますが、Webサイトの特徴やサービスの分野ごとに文字列が大体決まっています。
ドメイン取得の意味
ドメインを取得したり利用するためには料金を払わなければなりません。しかし、ドメインを取得することで
- ずっと同じドメインを利用し続けることで訪問数によって検索エンジンのページランクが上がり、検索ランクを上げられる
- 企業など従業員が多い団体の場合、一つのドメインで人数分のアドレスを制限なく利用できる
- 独自ドメインを利用することでSEO(検索エンジン最適化)上有利になる
などの利点もあり、サイトに唯一無二の価値をつけられることになります。
ドメインの認知度の調査
ドメインについて大体わかったところで、アンケートの結果について比較していきましょう。まず、どのくらいの人が「ドメイン」という言葉を知っているのか聞きました。


次に、インターネット利用を主に何でしているかでドメインの認知度を比べてみました。

そこで、パソコンメインの人とスマホメインの人で年代別にドメインを知っているorドメインを知らない人を分けてみました。

黄色のマークに注目すると、30代まではパソコンメイン利用者よりもスマホ利用者の方が多く、40代以降では逆転してパソコンメイン利用者の方が増えていました。
しかし、最も注目すべきところは緑のマークで、スマホメイン利用者は回答者の大多数を占める20代~40代のどの世代でもドメインについて「知らない」という人がパソコンメイン利用者よりも多くなりました。
また、パソコンメイン利用者とスマホメイン利用者でドメインをどの程度気にしているのか、差はあるのか比較してみました。

タブレットメインのインターネット利用者は6人と少数派だったものの、こちらでもドメインを気にしたことがない方の方が圧倒的に多い結果になりました。
ドメイン名についての調査
次に、具体的に回答者が「これは怪しい」と思うドメインと、「信頼できる」と思うドメイン名を回答してもらいました。
調査したドメインの種類
調査に用いたドメイン名と、何を表すドメインかは以下の通りです。回答者にはドメイン名のみ選択してもらい、ドメインの意味の説明はしていません。
ドメイン名 | 意味など | 施行年 |
.com | 商用向け、登録数世界一 | 1985年 |
.net | インターネット関連全般 | 1985年 |
.co | コロンビアの国別コードTLDで、世界中から登録が可能 | 1991年 |
.jp | 日本在住者のみ使用可能 | 1986年 |
.biz | 個人や法人の商用目的 | 2001年 |
.app | アプリ向け | 2015年 |
.org | 個人・非営利団体向け | 1985年 |
.xyz | 意味はなく、用途は自由 | 2014年 |
.shop | 商品情報などを掲載するショップ向け | 2016年 |
.info | 情報発信系 | 2001年 |
.co.jp | 日本国内で登記している企業向け | |
.go.jp | 日本の政府機関向け | |
.work | 仕事、作品に関するWebサイト向け | 2015年 |
.site | サイト、場所、会場を表す | 2015年 |
.fun | 動画などエンターテイメント系のコンテンツ向け | 2017年 |
.online | オンラインゲームなどネットワークサービスを利用したサイト向け | 2015年 |
.club | 部活やサークルなどの団体向け | 2014年 |
.design | デザイン関係やWeb制作会社向け | 2017年 |
.love | 恋愛をテーマとしたWebサイト向け | 2015年 |
.me | モンテネグロの国別コードTLDだが、「自分」という意味なので様々な業種で人気 | 2007年 |
怪しいと思うドメイン名の調査
まずは「怪しい」と思うドメインについて聞きました。
- 最も怪しいと思うドメインは3点
- 2番目に怪しいと思うドメインは2点
- 3番目に怪しいと思うドメインは1点
というスコアをつけ、総合した得点をグラフ化して比較しました。点数が高いほど回答者が「怪しい」と思ったと考えて下さい。

アンケートの結果、
- 1位 .love
- 2位 .xyz
- 3位 .me
という順位になりました。
信頼できるドメイン名の調査
逆に、信頼できると思うドメインについてアンケートを取りました。怪しいと思うドメインと同様の点数で1位~3位を示した結果が以下のグラフになります。

- 1位 .com
- 2位 .jp
- 3位 .co.jp
という順位になりました。“.com”は最も古いドメイン名、“.jp”や“.co.jp”は所在が日本と明らかなので信用できるという結果になっているのでしょう。反対に、“.love”や“.xyz”、“.me”などは登場が数年前と比較的新しく馴染みがないので怪しさを感じるのかもしれません。
認識の差でドメイン名を比較
ここまで得られたドメイン名の評価と回答者のドメインに対する認識を比べるために、
- 「怪しい」と思うドメイン
- 「信頼できる」と思うドメイン
が、ドメインを気にしながらインターネットを利用しているかどうかで差があるのかどうか考察してみました。その結果が以下になります。

この計算では、ドメイン名を気にする人と気にしない人に分けて1位~3位までのドメイン名でスコアを足していき、
(各ドメイン名の総スコア)÷(人数)
で一人当たりの点数の平均を出しています。続いて、信頼できるドメインで調査した結果が以下です。

また、信頼できると思うドメインでは、”.co.jp”は「ドメインを気にしている」人の方の信頼度が高く、”.jp”や”.com”は「ドメインを気にしたことがない」人よりも信頼度が低いという結果になりました。
Webページに埋め込まれたリンクをクリックするかどうかの調査
では、ドメインとは関係なく、Webページを閲覧している際に、Webページ上のリンクをクリックすることへの抵抗があるかどうかについて調べました。
ドメインを気にしている人と気にしたことがない人でドメイン名の認識の結果に若干の差があったので、最初から2つに分け、
- Webページのテキストリンク(青字のリンク)をクリックするか
- Webページの画像をクリックするか
- Webページのボタンをクリックするか
を比較しました。

その結果、
- テキストリンクはドメインを気にしている・していないに関わらず60%程度の人がクリック
- 画像リンクはドメインを気にしたことのない人の方がクリックする割合が63.5%と気にしている人の55%よりも多いが、気にしている人でも半分以上がクリック
- ボタンリンクは気にしている・していないに関わらず70%以上の人がクリック
ということがわかりました。
「怪しい」と思うサイトの特徴
最後に、自由回答で怪しいと思うサイトの特徴を挙げてもらい、回答してもらったコメントを種類別に分けたグラフが以下になります。

次いで、
- 「高額報酬」
- 「簡単に稼げる」
- 「無料」
- 「お得」
などの謳い文句が載っているサイトは怪しいと感じている人が20%でした。
更に、
- 「アドレスが文字の羅列」
- 「サイトの背景が黒や赤」
- 「ページのつくりが素人っぽい」
- 「文字が点滅したり大きさを変えてある」
など、アドレス自体やサイトの画面に不信感を感じて怪しいと思っている人が15%いました。
また、
- 「クリックすることを誘導してくる」が10%、
- 「アダルトサイトやアダルトサイトの広告が貼ってある」が9%、
- 「商品を買わせるための誇大広告サイト」が9%、
- 「いかにも翻訳したような不自然な日本語」を怪しいと感じる人が7%、
- 「サイトを閲覧した時に別ウィンドウで警告やカウントダウンが出る」などが4%
と続きました。
この結果も他の項目と同じように、インターネット利用の際にドメインを気にする人と気にしない人で分けて1位から5位までをみると、以下のようになりました。

まとめ
インターネットの利用方法とドメインの知識について比較しました。その結果、スマホ利用者の方がドメインを知らない人が多いことがわかりました。
また、ドメインを知っている/知らない、閲覧時にドメインを気にする/気にしないに関わらず、インターネットの利用の仕方はほとんど同じで、Webサイトを「怪しい」と思う基準にも違いはありませんでした。
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